虐待・ハラスメント対策にCRM その①

菜種梅雨

ようやく暖かくなってきたと思ったら『菜種梅雨』とか『春の嵐』とか天気予報で言ってますね。もう少し穏やかな日が続いてほしいなぁ

菜の花ではなく水菜の花😅

こんにちは 防災職人の中やんです。

西日本では、この冬の降水量が記録的に少なかったようです。確かにあんまり雨の日がなかったかな。天気が良いことは嬉しいんですが、農作物への影響とか考えると水不足は困りますよね。定期的に一定量は降ってもらわないと・・・


さて、今回は、知人から保育園での業務改善の悩みを紹介したいと思います。




高齢者福祉施設、育児福祉施設で起こっていること

昨年から今年にかけてニュース等よく耳にするのが、福祉施設や育児施設等での虐待や子供の置き忘れについてのニュースです。


① 子供の置き去り事故

送迎バス内に園児が取り残され熱中症で亡くなった事故は、昨年大きく報道されました。痛ましい事故ですが、どうして防げなかったのかと親でなくとも悔しい思いをされた人も多かったのではないでしょうか。最近の事故例だけでもこれだけもあります。

子ども置き去り事例
子どもの車内置き去り事例


② 幼児福祉施設での虐待

そして、次によく耳にするのが幼稚園や保育園での虐待事件です。しつけの範囲を超えてしまったかなというものから、明らかな犯罪と言えるものまであります。自分の子どもがこんな目に遭っていたらと思うとやりきれませんね。

幼児施設虐待事例
幼児施設での虐待事例

③ 高齢者介護施設での虐待

こちらも無くならないどころか増加傾向ですね。内容もエスカレートしていて殺人事件も発生しています。

介護施設虐待事例
介護施設での虐待事例

虐待や車内置き去りといった事件・事故が後を絶たないのは、何故なんでしょう。確かに現場で働く保育士や介護士の皆さんが一生懸命職務に取り組んでいるのは間違いないと思います。ごくごく一部の不届き者の犯行を除いては、誰も自分が事故や事件を起こそうと思ってやった人はいないのではないでしょうか。しかし、事故は起きてしまうし、気がつかないうちに、その人の行為が虐待や暴行となってしまうケースが多いように思えます。

色々な報道を見ていると、現場の置かれた過酷な環境、特に人員の不足が原因の一つと言われています。確かに、保育業界や介護福祉業界の人手不足は、面性的にひどい状態にあるようです。国は働き方改革とか給与の底上げといったことを事あるごとに言っていますが、地方の現状が何ら反映されていないとしか思えません。資格を持って子どもや要介護者の世話をするという職業なのに、金銭的にも環境的にも過酷としか言えないのが現状であることが改善されていない。

それではこの職種に従事したがる人が増えるわけがないですよね。男女共同参画とか子育て支援、高齢者福祉という言葉だけで、中身は年々これらの環境を厳しくしているようにしか思えません。(また、政策批判になりそう・・・汗)

確かに、人手不足は深刻ですが、それだけが原因とは言えないと思います。これらの事故や事件の原因の一つに、職場のチームワークや管理職側との隔たりといったこともあるのと言えます。

④ 職場でのハラスメント

ハラスメントとは、弱い立場のものを優位な立場を利用し虐めることを一般的に言います。パワーハラスメントと言えば、職場の上司が部下を虐めることを指すように思いがちでしょうが、そいったケースばかりではありません。

肩書きや階級に関係なく、その職場の中で優位な立場にいる人、古参の職員であったりよく声を上げて注目される人であったりが、その人気を逆手にとって自分が気に入らない人を無視したり嫌がらせをすることも『パワーハラスメント』になります。その対象が職場の上司となることも多くあります。

現役自衛官の頃、一般の隊員が部隊の上司(隊長)に対して無視・嫌がらせ・罵声を浴びせる等の行為をして上司がメンタルダウンした事例がありました。こういうパワハラのケースもあるのです。

なぜここでパワハラの話をしたかというと、これが虐待や置き去り事案の原因の一つと言えるからです。

虐待の場合、二つのケースがあると考えられます。

一つは、他の職員に見つからないように単独で行うケースです。この場合は、何らかの理由で周囲と協調できず孤立している人に多いのではないでしょうか。

もう一つのケースは、ベテランと言われるような職員が行うケースです。この場合は、ベテラン職員の単独だけではなくそれに従う仲間もいることがあります。このケースがパワハラと密接に関係しています。古参の職員が行う行動に周囲がものを言えない環境になっているためです。そう、何か意見を言えばいじめの対象になることを恐れる、すなわちパワハラの対象にされてしまう、と言うことです。また、上司であっても新任者であったり、職場の雰囲気を壊すことを恐れたりして目を瞑ることも、ある意味パワハラにつながると言えます。

置き去り事案の中で、園長が送迎バスを運転していたケースでは、『園長は絶対であり、ものが言いづらい』と職員が感じていたような証言もあり、これもある種のパワハラにつながるものと言えるでしょう。

このように、虐待や防げるはずの事故が防げなかった原因の根底に『気にはなっても、意見すればパワハラや虐めの対象にされてしまうかも』という漠然とした恐怖があると言えるのではないかと言うことです。この点を念頭に置かずに対策や改善を行ったとしても、根本的な事故防止にはならないのです。


次回は、保育園の業務改善に取り組んでいる知人の悩みとその解決策の一案について話したいと思います。

今日も読んでいただきありがとうございました。


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