なぜ今 BCM /BCP

国道脇に落ちた岩石(台風の影響)

 なぜBCM/BCPが求められる? その1

私が『南九州防災対策アシスト・サービス』を始めた理由
なぜBCM/BCPが求められるのか
について、数回に分けて書きます。

自治体『防災専門監』BCP作りを体験

平成29年、自衛隊を定年退官し、鹿児島県内の小さな町の『防災専門監』という配置に就任しました。
役場での仕事は、主に各種防災関連計画の策定、改訂、災害危機管理対応(災害対応について首長を補佐し助言する)でした。
就任まもなく、上司から「まずはBCP (業務継続計画 )を作ってください。国や県から催促されていますので。」との指示をいただきました。
自衛隊の時には業務継続マネジメント(BCM)はなく(違う言葉で存在しています)、耳にしたことはあるものの詳細な知識を持っていませんでした。
そこで、まずはBCM とは? BCP とは? から取りかかり、国が主催するBCP策定研修会に参加し、多の自治体の情報を収集するところからのスタートでした。
この歳での勉強は、ハハハ 厳しいぃ(汗)

BCP 策定のノウハウの習得から始め、町の現状、役場の体制、資源の現状を徹底して調べたうえで、“リスク評価”、“影響度分析”、“非常時優先業務の整理”等を進め、方針の決定、計画の策定と約1年をかけて『○○町業務継続計画(大規模災害編)』を策定しました。

BCM/BCPとは
防災に関わっている人は、BCM とかBCP という言葉を聞いたことはあると思います。また、比較的大手の企業に勤めている人も、一度は耳にしたことはあるのではないでしょうかねぇ
BCMとは
自然災害や感染症のパンデミックなどの突発的な事業環境の変化等不測の事態が発生しても、重要な事業を中断させない、または中断しても可能な限り短期間で復旧させるために、計画を立てて予算・資源の確保、事前対策の実施、教育・訓練の実施、点検、継続的な改善などを行うマネジメント活動のことを『事業継続マネジメント』(Business Continuity Management=BCM)と言います。
BCPとは
BCMを実施するために必要な方針、体制、手順等を事前に決めておくための計画のことを『事業継続計画』(Business Continuity Plan=BCP)と言います。
日本では『BCP 』だけが一人歩きしているような感じですが、事業継続をマネジメントするための計画書のことがBCP となるので、国際標準的にはBCM の一部と言えます。(内閣府が、とりあえずBCP 作ろうよと、#BCP 作成に主眼を置いたガイドラインを示したため、国内でBCP だけが注目されていたのではと思います)

BCM/BCPが与えてくれるもの

BCPを作る過程で得られるものは多いです。
  • 身の回りにどんなリスクがあるのかを認識できる
  • もし災害などのインシデントが発生した場合、事業にどれくらいの影響がでるのかを予想する
  • どの事業が重要で優先度が高いのか、を認識できる ⇒ 事業の見直し・改善のチャンス
  • 非常時の対応を決めておくことで、いざという時に必要な行動がとれるようになる
  • 何も対策しないことに比べて、被害を減らすことができる
  • 被害を最小限にすることで、非常時であっても優先度の高い事業を継続または中断した場合でも、短い時間で再開することができるようになる
  • 優先すべき業務と、中断させてもよい業務を選定しておくことで、災害時への備えや、備蓄に無駄が少なくなる。
  • 教育・訓練を通じて職員が同じ方向性で災害対応に臨むことができるようになり、被害の回避・軽減につながる
ざっとあげても、これくらいはあります。ただ、すべてがBCPに計画してある通りになるわけではありませんし、なんといっても想定しているとおりの災害状況になることの方が珍しいかもしれません。
中には、「どうせ災害に遭ったら、みんなダメになるから、対策しても一緒やろ」とか「(災害)起きてから、その状況に応じて臨機に対応できるからBCPとかいらんよ」というような考えもあります。
とは言いつつも、なぜBCMが求められているか、それは、災害や危機の規模が大きければ大きいほど、そこを凌ぎ、それを乗り越えて事業を継続(復活)させるにはBCM が役に立つということが、これまでの大災害やテロ、感染症パンデミックの場で証明されてきているからなのです。
これらの事例は、また、別に紹介したいと思います。

少々長くなったので、「なぜBCM/BCPが求められる? その1」は、ここまでにします。

読んでいただきありがとうございます😀




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